数年前の9月の末です。 授業が終わった時間を見計らったように、電話が鳴りました。
出てみると、聞き覚えのある声とお名前。 かつて在籍していたけれども、いろいろあって退会された生徒さんご本人でした。
「もう一度besで英語を勉強したい」 という趣旨のお話だったと思います。
■9月末、受話器越しに伝わった「勇気」
「今、何年生だったかな?」 まずそのことを考えました。記憶が正しければ、高校3年生です。
同時に、「すごい勇気だな」とも思いました。
自分で辞めたいと思い、保護者様にお話しして退会した塾に、自ら再び電話をして入会したいと言う。 その勇気は、よほど何かあるに違いないし、どうしても英語の成績を上げたいという強い動機があるのだと感じました。
「次の日に来ることはできますか?」 そうお話しして、翌日、保護者様と面談させていただくことになりました。
■「お断りしていただいて大丈夫です」――お母様の深い信頼
すぐに、退会されるまでの数年間のことが思い出されました。 元々、保護者様が弊社を高く評価してくださっていると感じていたからです。
生徒さん本人が退会したいと相談された時も、おそらく相当反対して止められたことでしょう。 今回のお電話も「そんなに行きたいなら、自分で連絡してみなさい」とおっしゃったのではないかと推測しました。
面談当日、お母様からメールが届いていました。 「勝手なことを言うようでしたら、お断りしていただいて大丈夫です」 という趣旨のお言葉がありました。
一貫して支持してくださっていた保護者様だけに、そのメールでさらにお力になりたいと思いました。
■涙の面談と、逆転合格への「非常識な提案」
面談に来られた時、生徒さんの頬には、すでに涙が流れていました。 教室に入る前に、保護者様から厳しいお言葉があったのかもしれません。
医学部志望であることは存じていましたので、何をどうやって合格を後押しするか。 お話を伺うと、英語さえ克服できれば合格できるのではないか。そう思いました。
しかし、時期は9月末。授業開始は10月からです。 私が直接授業できればいいのですが、当時は空きもなく、週2回ほどでは間に合わないというのが率直な思いでした。
私の中で、すぐに一つの結論が出ました。 「弊社のエース講師が担当するオンライン個別で、週6回、毎日のように授業をする」 というプランです。
■講師を口説き落とし、始まった「4者の共闘」
この提案には、私自身、大きな躊躇がありました。 私が担当しないこと、オンラインであること、そして「週6回」という回数。 非常識な提案と思われるのではないか、と。
しかし、この方法以外に合格の道はない。 そう心の底から思えたので、「正直に率直に、素直に誠実にご提案しよう」と心に決め、ご提示しました。 生徒さんも、保護者様も、その真っ直ぐな提案を受け入れてくださいました。
次に、担当講師を口説き落とさなければなりません。 弊社の担当講師は全員、学業を最優先する現役の大学生・大学院生です。
私は事情をすべて話し、講師に依頼をしました。 生徒さんが自ら電話をしてきたこと。本気で向き合う準備ができていること。 「何としても合格をお手伝いしたいんだ」と。
無事に担当が決まり、生徒さん・保護者様・講師・私という「4者」で見守る、本気の受験勉強が始まりました。
■最後に残ったのは、学力以上の「絆」
合格をお知らせいただいた時の喜びは、今でも忘れられません。 なんとも言えない喜びがあふれてきました。
保護者様も、体験記と言いますか、推薦文を書いてくださいました。 今でも時々読ませていただくのですが、感謝の気持ちでいっぱいになります。
大学受験の合格には、生徒さん、保護者様との「揺るぎない信頼関係」が極めて重要であると、改めて思うようになりました。
もしよろしければ、この保護者様から頂いた体験記をぜひお読みください。