中学生、高校生に授業をしていますと、全国最難関の高校や大学の名前を出すと、一様に「別世界の話」「我々には関係ない」「勝てない人たち」という雰囲気を感じます。
何年か前に、こういった壁を乗り越えてもらおうと考えて全国最難関の入試問題を少しずつ扱うようになりました。
中学生には高校入試の問題、高校生には大学受験の問題です。
中学生の場合、高校受験する生徒さんもいれば、高校受験はしない生徒さんもいます。
しかし、どちらの場合も、全国最難関の高校入試問題を解いてもらうこと、そしてその問題を詳しく解説して理解してもらうこと。
この2つは非常に重要だと思っています。
まず、全国最難関で有名な中高一貫校の高校入試を解いてもらうと、当然ながら満点など取れません。合格点も怪しいです。
そうすると、「こんな問題を解いて、合格点を取り、進学している同級生がいる」ということを理解してくれます。
非常に謙虚になってくれます。これは学びというプロセスにおいて非常に重要です。まず謙虚に学ぼうと思うこと。
次に、この問題を一問ずつ、丁寧に丁寧に解説していきます。
これでもかというレベルで丁寧に解説をします。大学受験の問題を解説している立場から見ても、非常に練られた素晴らしい問題が多いですので、解説のしがいもあります。なるべく問題作成者の先生は、こういう狙いがあって作成されたのではないかとこちらも謙虚に問題に耳を傾けながら解説します。
そうすると、だんだんと生徒さんの表情が変わり始めます。
解説を詳しく聞くと、「この問題は手が出せない問題ではなく、頑張れば解ける問題」だと思い始めてくれるのです。
全国最難関の高校入試問題は、自分がしっかり授業を復習して、言われたことをやっていれば解けた、場合によっては合格点を取ることも可能である、ということが実感できるようになるのです。
生徒さんの内側で、何かが変わり始めます。
全国トップレベルの進学校に通う同級生は、手が届かないすごい存在だと思っていたのが、そうではなく、努力次第では競い合える同級生だと思えるようになるのです。
これが、大学受験英語besの生徒さんたちにとって非常に大事なことだと考えておりまして、重視しています。
中学2年生の授業でも、「もうすぐ、〇高校の入試問題やるよ!」と声掛けします。
困ったような、なんとも複雑な表情をします。
しかし、演習が終わり、解説が終わった頃、彼らの表情はさらに変わり、全国最難関高校の生徒さんたちは、「手の届かない天才」ではなく、「競い合わなければならないライバル」に変わっていくのです。
そういった細かな積み重ねを継続させながら、毎年生徒さんたちのレベルを上げています。
これからさらにレベルが上がっていくのは間違いないと感じています。