大学受験英語besでは、極々稀にではありますが、『素直』『謙虚』が大切だよとお話しすることがあります。
当然、大学受験英語besも普段から非常に大事なことだと考えております。
この結論にたどり着いたのには、ある出来事がきっかけでした。
本日は、その出来事を書きたいと思います。
もう何年も前の話ですが、この仕事を始めて間もない頃、ある職場で全国的に有名な英語講師の先生とご一緒させていただくことになりました。私は、まだまだ駆け出しで、その先生は既に名前が知れ渡っておられました。
授業の曜日が違いましたので、職場で直接お会いすることはなかったのですが、お噂は耳にしていました。
ある時、その職場で懇親会があり、全スタッフと講師陣が一堂に会しました。
講師の世界にもいろんな世界があるとは思いますが、その職場では同じ科目の先生同士は、いわばライバルですから、あまり親しくはしていなかったのですが、その高名な先生と初めてお会いして、ご挨拶だけは…と思い、自己紹介をしてご挨拶をしました。
大先輩にご挨拶は当然だと思いました。また、駆け出しの自分が変なプライドを持つのは間違っている。
また、当時、どこかで読んだ本にも、『素直』『謙虚』が大切と書かれてあたように記憶しており、何のためらいもなくご挨拶に伺いました。
その先生は、非常に喜んで下さり、隣の席を勧めて下さり、話が盛り上が始めました。初めて聞くお話しばかりで興奮したのが先生にも伝わったようで、先生のお話しにも熱が入り、あれも、これも、それも、どれも…ありとあらゆることを若輩者の私に教えて下さいました。
懇親会は最初から最後まで、この先生から教えを受ける会になりました。
今、こうして大学受験の指導ができるのも、あの時に先生から教えていただいたことが間違いなく大きく影響しています。
先生とのあの時のお話がなかったらどうなっていたか…。そのくらい、普通は絶対教えて下さらないであろうことを、惜しげもなく教えて下さいました。
懇親会後、その先生とは曜日が一緒にならなかったこともあり、一度もお会いすることはありませんでした。たった一度、ご挨拶に伺っただけの若輩者の講師に、何一つ惜しげもなく教えて下さったことに、今でも感謝しています。
当時、もし、私の頭の中に、『素直』『謙虚』という言葉がなかったら、私はご挨拶に伺っただろうか。お話に謙虚に耳を傾けたでしょうか。そして先生は、私に全てを教えて下さっただろうか。
そして、もし、この2つの言葉がなかったら、教えて下さったことを自分の授業や研究に即座に活用しただろうか。
同じ教科ではあるが、謙虚に自分の未熟さを認めてご挨拶に伺ったからこそ、かわいい奴だと思って教えて下さったのではないか。
また、熱心に素直に耳を傾けていることが良く伝わったから、さらに詳しく、あれも、これもと教えて下さったのではないか。
今でも当時を振り返ってそう思います。
自分が今、生徒さんに授業をしている時、一生懸命に耳を傾けていることが良くわかる生徒さんには、これも、あれも、とお伝えしたくなります。耳を傾ける謙虚さ、それを直ちに実行に移す素直さ、この2つは、年齢を問わず、立場を問わず、非常に大事なことではないかと思います。何度も何度も思い出し、感謝をし、改めてこの2つの言葉の大切さを実感しています。