大学入試問題は時代と共に変化しています。
10年前、20年前の入試問題と、今年の入試問題とを比べると、求められている英語の力がずいぶんと変化していることに気が付くと思います。
時代と共に、学習方法も当然変化していくことを受け入れて、素直に学びと向かい合わなければなりません。
我々授業を担当する側の人間も、何年も前に習得した知識だけで授業をしていては、すぐに限界が来ます。
常に求められる力は何なのかを頭の中で考えて授業をしなければならないと考えています。
その一方で、変わらないもの、変えてはならないものもあります。
英語の表現方法のルールである英文法は何年も前から変わってはいませんし、これからもその根本は変わりません。
その変わらない、根本の部分を我々はどう学ぶべきでしょうか。
これまで多くの留学生を迎え入れ、その留学生に英語を教えてきたアメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドなど、英語が母国語の国では英語をどのように教えているのでしょうか。
年齢によって手法は大きく変わると思いますが、高校生、大学生くらいの年齢の英語学習者は一度は手にする問題集があります。
最近はどうなのかを確認するために、アメリカ、イギリス、オーストラリアのAmazonを見てみました。
圧倒的一位ではないかもしれませんが、大ベストセラーであり続けていることは確認できました。
高校生、大学生くらいの英語圏への留学生は、今でも多くがその本を使っていることがわかりました。
英語が母国語の国だから、日本とは違って、画期的な方法で授業しているはずだ。
英語をシャワーのように浴びて、グングン英語を吸収しているはずだ。
そうイメージされる方も多いと思います。
世界で最も購入されているといっても過言ではないこの問題集は、ドリルです。
しかも、膨大な量のドリルです。ひたすら解説を読み、理解したら、例題の真似をしてひたすら書きます。
身体に、脳に浸み込ませるように、ひたすら同じような英文を書き出すドリルを行うのです。
反復練習なのです。
もちろん、実際に留学すれば、ネイティブとの会話のチャンスや、生活すべてが英語なわけですから上達も早いかもしれませんが、正しく伝えるため、正確に理解するための英文法は、たとえ、海外に留学したとしても、ドリルで身に付けるのが当然だと英語圏の英語の先生たちも考え、留学生もそれを受け入れ勉強している。ということだと思います。
大学受験英語besでは、大学進学後に海外留学される元生徒さんもいらっしゃいます。
そんな時に、自分の英語はダメだな、と感じるのではなく、「ある程度はイケるな」と思ってもらいたいですし、せっかく留学するのであれば、大きな刺激を受け取れる刺激的ないい大学に行ってもらいたいと思います。
TOEFLで高得点を取って留学に行くのも、大学入試で高得点を取って、第一志望に合格するにも、英文法という英語の幹の部分をしっかり定着させなければなりません。そして、その幹をしっかり定着させるためには、地道な努力も不可欠だということをお伝えしたいです。
海外で生活すればすぐに身に付く。
留学したら話せるようになる。
一部は事実かもしれませんが、留学したけれども話せない元留学生は実は非常に多いのも現実です。
また、留学生が英語を身に付ける過程で、どれだけ苦労しているかは一般的には語られません。
毎日、母国語ではない言語で生活するということが、どれだけ大変で疲れることか。
手段は異なりますが、外国語を習得するということは、簡単なことではないのです。
大ベストセラーの英文法問題集である、英語ドリル問題集を久しぶりに目にして、そんなことを考えました。