この季節になりますと、推薦入試など、さまざまな入試方式での受験の話題が活発になってきます。
大学受験英語besには、さまざまな生徒さんがいますが、ある生徒さんは、より確実に、より早期に合格できる入試方式での受験を勧められたようです。
大学受験英語besは意見を求められれば、意見をお伝えしますが、志望校選びなどには基本的には関与しません。
その生徒さんは、ことの概要を私に説明した後、どんどん周囲のクラスメイトがそちらに流れていく、どう思うか?と問うてきました。
私の意見を伝える前に、どちらが絶対に正しいということはないと思うが、生徒さん自身はどう思っているのか聞きました。
『せっかく今、大学受験英語besで一生懸命に英語の勉強を頑張っている。大学進学後も英語は伸ばしたいと思っている。今、楽な方に流れて、簡単には合格したくない。』という趣旨のことを発言しました。
この『簡単には合格したくない』という言葉に、その生徒さんの心情が凝縮されているように感じました。
入会当初は、あまりに突然に英語の学習量が増えたので、かなりのストレスを抱えながら勉強していることがよくわかりました。
しかし、一度も弱音を吐かず、よく頑張って来たなと思います。
そこから階段を一段ずつ登って、しっかり合格したい。簡単には合格したくない。というところまでたどり着いたのです。
誤解のないよう申し上げますが、一般入試以外の入試方式を否定しているわけでは全くありません。
大学受験英語besでも、推薦入試、AO入試で進学される生徒さんはいらっしゃいます。
それにしても、ずいぶんたくましくなったなぁと感じました。
普通は、志望校に合格できる方法があれば、どんな方法でも飛びつくのが普通だと思うのですが、
大学進学後も英語は頑張りたいと思っているので、ここでの努力を最後まで継続させ、胸を張って達成感とともに入学したいのだと受け止めました。
『若い時の苦労は買ってでもしろ』
『かわいい子には旅をさせよ』
この仕事を何年もしていますと、昔一緒に授業で頑張った生徒さんが、その後どうなったかについても、ポツポツ情報が入ります。
やはり、社会に出て活躍している人、評価が非常に高い人は、若い時に苦労を買った人、苦しいけれども旅をした人、が多いと感じます。
大学受験の苦しさを回避できても、人生の苦しさは回避できません。
大学受験という勝負を回避できても、人生の勝負は回避できません。
そうであれば、大学受験を人生の勝負の一部と捉えて、徹底的に立ち向かって努力をし、勝って達成感を手に入れた方が、後々役に立つのではないかと思います。あくまで個人的な感想ですが。
この生徒さんには、そこまでの話をした記憶はないのですが、何も言わずともわかっているこの生徒さんを、私は非常に評価しています。