この業界に入って、ずいぶんと時間が経ちました。
最初に採用していただいた会社では、必ず『採用して良かった』といってもらえる人間になろう!と思い、馬車馬のように働きました。その時採用を決断して下さった、県本部長を尊敬していましたので、そう思ってもらいたかったのだと思います。
張り切りすぎで、自己管理能力もなかったためだと思いますが、ある夏の忙しい時期に、熱が出て、足が腫れて、普通に歩くことができなくなりました。
もうダメだと思い、上司に許可をもらって病院に行きましたら、白血球の数が異常な数値になっており、そのまま一週間入院になりました。会社に報告しました。情けない、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
しかも、入院した先の婦長さんには、『なんでこんなになるまで放っておいたの!』とお叱りも受けました。
何もかもが不十分で、私は未熟で、病院で一人反省会を開いていました。
いつの間にか、眠ってしまったようです。
目が覚めると、置き手紙がありました。県のトップ、私の尊敬する県本部長がお見舞いに来てくれたのでした。
その時、私は、自分がまだまだだと思い知りました。
置き手紙に書かれてあった、私の名前の漢字が違っていたのです。
自己管理能力不足で、未熟で、県本部長には漢字も覚えてもらっていない…。
いくら新人とはいえ、ダメダメだなぁ。大した貢献はできていないのだ。
まだまだなのだと悟りました。
あの経験があったから、私は、退院後もさらに頑張れたのかもしれません。
県本部長には大変ご迷惑をおかけしながらも、非常にかわいがって頂いたと感謝しています。
あれから、かなり時間が経ちました。
あの時の県本部長は、現在、大学受験英語besのアドバイザーをして下さっています。
あの時があるから、今があるのかもしれません。
手紙は大事に保存しています。